4月29日に、東京・国分寺にあるオーガニックカフェ「カフェスロー」にて、
『カフェスロー サステナブルデイ』というイベントを開催しました。
オーガニックカフェの先駆けとして20年前にスタートし、
これまでたくさんのイベントやアクションを行い、
たくさんの人に愛されてきたカフェスローが、
コロナにより経営が危機的な状況だと知り、
セカエルとしても何か応援できたらと思い、今回のイベントを企画しました。
カフェスローのサステナブル(持続可能)だけでなく、
社会や地球のサステナブル(持続可能)についても、
ともに考え、行動を起すための一日にしたいと想い、
サステナブルを実現する上で特に重要だと考えている、森、気候危機、生物多様性をテーマに設定しました。
最初に、セカエル代表の中村隆市より、
なぜ今、自分を変えて世界を変える「株式会社SECAEL(セカエル)」を立ち上げたのか、について、
これまでの様々な社会活動や社会的起業などの経験を通してお伝えし、
これからセカエルがやろうとしているアグロフォレストリー(森林農業)の重要性
について、お伝えさせていただきました。
次に、セカエルメンバーの藤井芳広より、セカエルの事業のひとつ、
耕作放棄地を活用した食べられる森づくり「糸島 food forest」の取組みについてお伝えさせていただきました。
日本の耕作放棄地の大半は、かつて森を伐り開いて農地にしたところが、
斜面が急で高齢化などにより耕作できなくなり放棄されている土地です。
そういう場所に人が手を入れることによって、人間だけでなく虫や鳥や獣たちにとっても
食べられる森にしていこうという、日本型アグロフォロレストリー(森林農業)を、福岡県の糸島で実践しています。
カフェスローでも、糸島 food forestで収穫した甘夏をジュースやお菓子に使ってもらっていて、
この日も事前に注文してくださった参加者の方には、甘夏ピール入りのクッキーをお届けしました。
森と都会を食を通してつなげるというのも、糸島 food forestの重要なコンセプトの1つであり、
そういう意味でも、都会の中でオーガニックの価値を発信し続けるカフェスローの存在は
とても重要だと改めて感じています。

次に、FoEジャパンの高橋英恵さんが、
気候危機に対する取組みと、ATO4NENキャンペーンについて、お話してくださいました。
ATO4NENキャンペーンとは、今、日本政府が策定している次期「エネルギー基本計画」の中に、
脱原発や脱化石燃料を盛り込み、これまで以上の気候危機対策に力を入れさせようとしている市民発のアクションです。
今、10代・20代の若者たちが、気候危機に対して様々なアクションを起しています。
高橋さんも20代であり、Fridays For Futureや、350.orgや、GreenTEAなど
他の若者たちの団体とも連携しながら様々な活動をされているのですが、
お話の最後に、10代の若者のスピーチ動画を紹介してくださいました。
動画の中で「私たちは環境において加害者です。
私たち先進国の生活によって苦しんでいる人や動物たちがいる。
なぜ加害者として生きていかなくてはいけないのか。なぜこんなに苦しまなければいけないのか。
この苦しみを次の世代に引き継がなくてもいいように今ここに立っています。」
と話されていました。
私たち大人は、この若者たちの言葉に、その真剣な想いに、向き合わなくてはいけないと思っています。
そして、行動を起すことで、大人としての責任を果さなくてはいけないと思っています。
高橋さんはそのことの大切さを改めて気づかせてくださいました。

サイトで300円で購入できます。
次に、国連生物多様性の10年市民ネットワークの坂田昌子さんが、
「世界の生物多様性の現状とこれから」について、話してくださいました。
坂田昌子さん
日本列島は、本来、生物多様性が豊かな地域なのにも関わらず、
世界の中でも危機的な状況にあることや、気候変動と生物多様性の関係について、
気候変動によって生物多様性が損なわれ、生物多様性が損なわれると気候変動が加速する、という切り離せない密接な関係にあること、
そして、それをつなぐ存在として森があり、森を守り育てる文化を失ったことが、
気候危機や生物多様性の損失の根本原因にあるというお話をしてくださいました。
坂田さんが高尾山に建設中のツリーダムカフェ。現在建設費のカンパを募られています。
高尾ツリーダムカフェ | 高尾山・生物多様性ゆるゆるガイドツアー (takaotreedom.com)
そして、最後に、これまでカフェスローで何度もライブをしてくださっている
民族楽器アーティストの入江規夫さんが音楽ライブをしてくださり、
カリンバや三線やウクレレの演奏とともに歌ってくれました。
その歌声は、風や水の音や木々の息吹を感じさせてくれ、それは森に入った時の気持ちよさに似ていて、
森や自然の大切さを深いところで実感させてくれるライブでした。
民族楽器アーティストの入江規夫さん。ウクレレワークショップも開催されています。
今回、ゲストの方々は全員、カフェスローの応援のためにと、ギフトで出演してくださいました。
本当にありがとうございました。
これからカフェスローがこの地で残り続け、
これまでに以上に、今回のような大切なことを伝える場としてあり続けることで、
ゲストのみなさんや、今回参加してくださった方たちの想いに応えていきたいと思っています。
そして、私たちセカエルとしても、これまで以上にカフェスローとの連携を強め、
一緒に発信していきたいと考えています。
今後とも、カフェスローをよろしくお願いします。
株式会社SECAEL一同